ぷれす通信

communication

読んだら書きたくなりました vol.75

『結局どうすればいい感じに雑談できるようになるんですか?』

川島達史 サンマーク出版

対人恐怖症に陥り、引きこもりになってしまった著者が、社会復帰をかけて起死回生の試みをベースにつくりあげた雑談の仕方を教えてくれます。自室から抜け出そうと必死だった著者は「笑っていいとも!」のタモリさんとゲストのトークや、落語を文字起こしして会話の原理を見つけだそうとしたり、ポスターやグラビアの女性に話しかけてみたりするなどかなり切迫していました。だからこそ、著者の言葉に信頼感を抱くことができます。関連する項目にリンクを飛ばして会話を広げていく「ウィキペディア方質問法」といった、今風の説明の仕方もよいですね。ビジネスシーンで本題に入る前のちょっとした時間を雑談で盛り上げると、その後の話もスムーズになるもの。また、学校関係や親戚の集まりなどで雑談力は役立ちます。話し方や、話の広げ方だけでなく、切りあげ方なども取り上げているので、さまざまなシーンで活用できます。話のプロだけあり、読みやすくわかりやすい。実践練習もあるので、いい感じに雑談できるようになりたい人はトライしてみてはいかがでしょうか。もちろん、かつての著者のように、なんとかして社会復帰しようと考えている方にもオススメです。(もん)

『大便革命 腐敗から発酵へ』

辨野義己 幻冬舎新書

名は体を表すとはこのこと。腸内細菌、便の研究の第一人者である辨野(べんの)義己先生の著書です。学術的な見識を踏まえ、善玉菌・悪玉菌の二分法では説明しきれない腸内細菌の実態を詳述し、免疫細胞のおよそ7割が集中する腸内環境を良好にすることが健康寿命を延ばすということを説いています。近年、肉類、ファストフードやスナック菓子の摂取量の増加など、欧米化した日本人の食生活が、生活習慣病などにつながっているなどと耳にします。腸にスポットを当てると、腸年齢の高齢化が見られ、実年齢20歳でありながら、腸年齢が70歳以上に達している人もいるというデータが! 私も若いから(?)と言って油断できないなと、自身の食習慣を見つめ直すようになりました。いつまでも健康でいるために、便に目を向けるという私にとって「革命」的な本でありました。(かつ)