ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.66

『人生後半の幸福論 50のチェックリストで自分を見直す』

齋藤孝 光文社新書

19世紀のフランスの哲学者ポール・ジュネは人間の体感時間について、生涯のある時期における時間の心理的長さは年数の逆数に比例するとして「ジュネーの法則」という現象を発見したそうです。この法則が定かかは分かりませんが、私も「体感的」には人生の後半に近い状態にあるわけで、そんな焦燥感を和らげられればと思い本書を手に取りました。恐らく実年齢アラフィフの方々に向けて書かれた作品ではありますが、私でも共感するテーマが少なくなく、中でも「物事に取り組むときに、『これは仕事』『これは趣味』と切り分けて考えないようにするといいのではないかと思います。何がこれからの自分の人生を豊かに展開してくれるのかはわかりません」という文は印象的でした。自分の凝り固まった思考を解きほぐされたようで気が楽になります。押しつけがましくなく、心の成熟、幸福のためには何歳になっても挑戦心や好奇心を抱き、それを行動に移していくことが大切なのだと教えてくれる良書です。(まち)

『ワクワクしながら「天職」にであう! 』

矢尾こと葉 サンマーク出版

「天職」とは例えば明鏡国語辞典に書かれているように「天から授かった職業。また、その人の才能・性格にふさわしい職業」を意味する言葉ですが、本書を読んでいると、「天職」とは単に自分らしさを発揮できる職業なだけではなくて、自分という存在を肯定できる職業であること、そして、他者のため、社会のために役立つ存在であることができる職業であることが肝要なのだと気づかされます。「天職を生きる」。著者である矢尾さん自身が天職を求めて奮闘するエピソードを交えながら、天職を発見すること、あるいは創造することの意義を分かりやすく説明していて、就職、転職や起業に悩む人の背中を押してくれること請け合いです。(かつ)