ぷれす通信

communication

読んだら書きたくなりました vol.59

『面倒くさがり屋の僕が3ヶ月で英語を話せるようになった唯一無二の方法』

須藤元気 幻冬舎

格闘家だった著者による「優しくてきびしい」英語学習法の本です。「優しい」とは皆さんの人生に必要な英語を身につければいいのです、と言ってくれていることです。「きびしい」というのは一日3時間、3ヶ月継続してください、と言っていることです。まず「きびしい」から。3時間か……ほんとうにきびしいな、と弱気になりました。著者は言います、「『隙間時間活用法』などと大げさに言わなくても、『やりたいことはどうしてもやりたい』のが人間という生き物」。さすが元格闘家、アツいです。たしかに本気になれば飛躍的に力ってついていくものだと思います。著者ならではの格言をもうひとつ。「会話は総合格闘技。だからこそ文法が大事」。そして「優しい」とは、初学者がまず使える、自己紹介や初めて会った人との挨拶のしかた、場をつなぐ言葉など、「そうそう、それが知りたかった」というフレーズが紹介されていることです。これにより、英語でコミュニケーションをとれた!という成功体験を積み重ねられることでしょう。(てつ)

『おとぎ話を科学する! コミック空想科学読本1』

監修 栄光ゼミナール 漫画 黒城ろこ 原案+科学監修 柳田理科雄

「浦島太郎」や「シンデレラ」など、誰もが一度は聞いたことがあるだろうおとぎ話を取り上げ、それぞれのエピソードは現実に実現可能なのかを検証していく本です。コミカルなマンガで子どもがとっつきやすい体裁ですが、科学的な検証の内容は大人でも「へえー」と感心してしまうような内容だと思いました。とくに私は理数系が得意ではないこともあり、何度も「なるほど、そうなんだ!」と思わされました。お子さんと読めば新たな発見があるかもしれませんし、一緒に驚いたりできるのではないでしょうか。中でも私が一番気に入った題材は「走れメロス」です。比喩表現(「少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った」)をあえて現実のものとして検証を行うのですが、その結果がありえなさすぎて笑えるのです。太宰治の有名な作品もこういった角度から扱うとハードルが低くなり、子どもが手に取りやすくなるのではと思いました。(まち)