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ぷれす通信

2014年10月号

デッドゾーン 欧文の行末処理

今回は、出くわす機会はそれほどなくても、校正者として最低限知っておきたいことです。日本語で書かれたゲラの校正をしていて、文章の中に英単語がまじっていたり、英語の文章が数行にわたって挿入されていたりすることがありますね。こうした欧文を校正する際に気をつけなければならないのは、1つの単語が行末と行頭に分割されて出てきた時です。
 1行の字詰めが多い時は、和文の字間や欧文の語間を調整して単語をその行内におさめる、あるいは次の行に送ることが通常でしょう。しかし、字詰めが少ない行の行末に長い単語が来てどうしても1行内におさまらない。そんな時は、単語にハイフンを入れて、1つの単語を行末と行頭に分けなければなりません。
 注意しておきたいのは、ハイフンの入れ方(ハイフネーション)です。どこでもいいというわけではなく、必ず音節の分かれ目で行うことになっています。
 では、どこが音節の分かれ目なのか。これが難しい。
 音節の分け方には発音式や語源式など様々あり、アルファベット表記の言語を母語としている人でも判断は容易ではないといわれますから、言語を異にしている私たちにはなおさらです。しかも、品詞による違いもある。たとえば、英単語のpresent。この単語はどの品詞として使われているかによって、ハイフネーションが異なるのです(動詞:pre-sent 形容詞・名詞:pres-ent)。やはり、校正する際には面倒がらず、逐一辞書を引いて確かめることが大切ですね。
 ちなみに、次に挙げるのは分割できない例ですので、覚えておくといいかもしれません。
(1) ローマ数字・化学式 (2) 接頭・接尾の記号や略字とこれに隣り合う数字との間(例:p.65、87%、150kW) (3) 1音節の綴り(例:straight) (4) 接尾語(例:-cial、-tion) (5) 2音節でも短い綴り(例:into、until) (6) イニシャル(例:○ E.A./Poe  × E./A. Poe)        (く)

この一冊!『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』

<h3>2014年10月号</h3>
『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』

金谷武洋 著
飛鳥新社/232ページ
ISBN-10: 4864103127
ISBN-13: 978-4864103121
価格 1,200円(税別)

日本語が、いかに素晴らしい言葉か――海外で日本語教師をしていた著者が、英語やフランス語との比較や教師経験談を交え、学校で教えられる文法や従来の常識に反論しながら、日本語の魅力を追求。あらためて日本語を誇りに思えるようになる一冊です。
たとえば、朝の挨拶。「(I wish you) Good morning」に対し、「おはよう」という言葉には、「私」も「あなた」も登場しません。これは「まだ朝早い」という状況に、「こんなに早いんですね」と、二人が心を合わせている。つまり、英語のように向かい合って主張し合うのではなく、お互いが同じ方向を向いて、一緒に感動、共感している――それこそが日本語であり、「共感の言葉」であるとしています。
文法についても、日本語は述語が根っこにある「盆栽型」、英語は主語が星の「クリスマスツリー型」という、オリジナルの理論を展開。斬新ながら、わかりやすいたとえで頷かせてくれます。
また、名前の付け方や道の聞き方でわかる、英語・フランス語との視点の違いや、川端康成の『雪国』の冒頭を英訳すると読み手の思い浮べる情景がまったく異なってきてしまうという衝撃的な実験結果など、さまざまな角度から、日本語や文化を分析。その「本当の姿」を導き出し、日本語は決して難解ではなく、そこに秘められた大きな力は、世界を救えるほど素晴らしいものだと結論づけています。
読者ターゲットとされているのは、(まだ頭がやわらかい)中学生ですが、それだけに読みやすく、文法の話にも難解さはありません。日々、日本語と格闘して少々頭がかたくなっている(?)私たち校正者には、目からウロコの内容。あたりまえだと思って使っている日本語を、違う角度から見直すきっかけになるかもしれません。(N)

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