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ぷれす通信

2014年5月号

デッドゾーン 地名はややこし

前号では思い込みによる人名の誤植例を取り上げましたが、同様の間違いを起こしやすい固有名詞に地名があります。「多摩」と「玉」の違いは前号ですでに触れていますが、この「たま」にはもう一つ「多磨」という表記もありますから、事情はだいぶややこしくなります。
 特に、地名を冠した施設名とその施設の所在地は、校正で気を付けなければならないことの一つです。たとえば、「東京ディズニーランド」。当然、皆さんなら所在地がどこかおわかりですよね。でも、実際に筆者の知り合いにいました。東京都にあると思っていた編集者が……。
 しかし、それをあげつらって笑ってばかりもいられません。施設名に引きずられて所在地を勘違いしやすい例はいくつもあります。次に施設名を挙げましたので、所在地を答えてみてください。
(1)志木駅(東武東上線) (2)習志野駅(新京成線) (3)品川駅(JR山手線) (4)目黒駅(JR山手線) (5)本郷三丁目駅(東京メトロ) (6)青山一丁目駅(東京メトロ) (7) 厚木駅(小田急小田原線) (8)新宿タカシマヤ (9)駿河台大学 (10)東京国際大学 (11)麻布大学 (12)東京情報大学 (13)神田外語大学 (14)港北インターチェンジ(第三京浜道路) (15)都筑インターチェンジ(第三京浜道路) 
 また、地名と施設名の表記が微妙に異なるものもあります。
・港区虎ノ門にある「虎の門病院」 ・千代田区霞が関にある東京メトロ「霞ケ関」(ちなみに埼玉県川越市霞ヶ関にある東武東上線の駅名は「霞ヶ(・)関」) ・川崎市高津区溝口にある東急田園都市線「溝の口」、JR南武線「武蔵溝ノ口」 ・葛飾区青戸にある京成線「青砥」
 と、こんな具合です。地名に絡む固有名詞は記憶だけに頼らず、信頼できるウェブサイト等で確認することが肝要ですね。(ら)

【施設の所在地】
(1)埼玉県新座市 (2)千葉県船橋市 (3)港区 (4)品川区 (5)文京区本郷二丁目 (6)港区南青山(都営地下鉄「青山一丁目」は港区北青山。港区青山一丁目という住所は存在しない) (7)神奈川県海老名市 (8)渋谷区 (9)埼玉県飯能市 (10)埼玉県川越市 (11)神奈川県相模原市 (12)千葉市 (13)千葉市 (14)横浜市都筑区 (15)横浜市港北区

この一冊!『活字狂想曲』

<h3>2014年5月号</h3>
『活字狂想曲』

倉阪鬼一郎 著
時事通信社/261ページ
ISBN-10: 4788799014
ISBN-13: 978-4788799011
価格 1600円(税別)



幻冬舎文庫/270ページ
ISBN-10: 4344402634
ISBN-13: 978-4344402638
価格 533円(税別)

珍しい、校正の舞台裏を描いたエッセイです。誤植ネタも楽しめますが、著者のひねくれぶりと「狂想」が痛快。しれっと毒を吐く語り口も小気味よく、ブラックな表現にもつい笑ってしまいます。
 かつて印刷会社の社員だった著者は、校正者として優秀なものの、サラリーマンにはまったく不向きでした。出世には興味がなく、組織の“うっとうしい”システムに耐えられません。決起大会からは遁走、配置転換に「いやです」ときっぱり。厚生年金さえ「いらない」から年金保険料を納めたくないと総務に掛け合いますが、敗北し、「これがなければ何枚馬券が買えるか」と口惜しがります。
 著者と“むくつけき会社世間の論理”との闘いは、やがて上司との対決へ。サラリーマン経験者にはたまらない(?)強烈な結末を迎えます。
もちろん、文字やゲラにまつわるエピソードも満載です。
M(明朝体)にという修正指示をマゼンタと勘違いし、あろうことか銀行の名前を赤(・)字(・)にしてしまった製版屋さん。暑中見舞いの原稿を「皆様の健康を折(・)り上げます」と作ってくる営業担当。きわめつけに、母親からの手紙までもが「更(・)生(・)の仕事はどうですか」……。「地(・)下(・)六十階のビル」「2日(・)12日OPEN」など著者自身が見逃した「オー、ミステイク!」コーナーは、少々心臓に悪いかもしれません!?
 校正者ならではの突っ込みや呟きには、「よくぞ言ってくれた!」と拍手を送りたくなり、日頃の憂さもスッキリ。でも、著者の行動は真似しないほうがいいでしょう。(N)

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