ぷれす通信

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2011年5月号

デッドゾーン きめは「細やか」?「細か」?

「きめ細やかな肌をつくる」「きめ細やかなサービスを展開」――「きめ細やか」という言葉をよく見かけます。「きめ細かな or 細やかな」とエンピツを出すものの、悩みます……。

 手元の辞書をいくつか当たってみました。

紙面の都合でざっくりまとめると、

・「細かい」は「小さい」:ひとつひとつが微小、微細であり、そこから派生したのでしょうが、「物事の扱いやとらえ方が細部にわたり詳細・精密」「小さなことまでよく気づく・配慮が行き届いている」という意味があります。

・「細やか・濃やか」は「心遣い」:「情愛深く心配りが行き届いている」「心がこもっている」「微妙かつ奥が深い味わいがある」「美しい」など。

ただ、「細やか」には「小さい/細かい/微小/詳しい/精密」の意味もあり、最初の3つの意味ならば「きめ」にくっついても何とか意味は通る気もします。

辞書を引くと、「きめが細かい」と「細やか」の両方に共通するのは「心配り、心遣い」ですが、「細やか」がもつ「小さい~」の意味は、「きめが細かい」には見られませんでした。

手元の辞書に「きめ細やか」の立項はありませんが、Yahoo!辞書「大辞泉」の「こまやか」に1③地肌が美しいさま。「きめの―な肌」とあるほか、ある新聞の社説や日本語入力システム開発会社のHP上に使用例があります。

以上を踏まえると、冒頭の「きめ細やかな肌をつくる」は、ママでもよさそうな――さて、どうするか。

「なぜ(「きめ細やかな」は)ダメなんですか?」と問われたら、皆さんならどう答えますか?(S)

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