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ぷれす通信

2011年7月号

デッドゾーン 数や単位にご用心

日々の校正で、レシピの分量や統計値の単位がおかしいのを見落としそうになったことはありませんか?

これらの誤りには、小数点を入れ忘れて薬を規定量の10倍投与した医療事故のような事例など、命にかかわることもあります。小さい字で印刷されていると、6、8、0の違いや小数点の有無などを見誤ることもありますよね。

誤りに気づくには、使い慣れた単位に換算したり、目安となる数や大きさを知っておくのが有効です。レシピなら、卵のMサイズは約50g(卵大の挽肉も)、魚の切り身は手のひら大で約70g、米は1合180mlで150~160g(米の乾燥具合にもよる)、果物は手のひら大で約200gなど、「手ばかり」が役に立ちます。ぜひお試しください。

新聞でも報じられた例では、エーザイ(株)が「チョコラBB(R)スパークリング」の成分表示で炭水化物「14g」を「14mg」と誤記したものがあります(6月10日、同社ニュースリリース)。“m”の有無は大きいですが、素読みだけでは発見が難しそうです。ではどうするか。本製品のエネルギー量は成分表示に「56kcal」とあるので、これを使って検証するのも手。調べてみたら、計算式が見つかりました。
熱量(kcal)=たんぱく質(g)×4kcal/g+脂質(g)×9kcal/g+炭水化物(g)×4kcal/g
(参考:「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」)。

本製品は、たんぱく質と脂質が0gなので、炭水化物の量は56kcal ÷4kcal/g=14g。明らかに「mg」ではありません。

実際の校正でここまで調べるかどうかはともかく、普段の生活や仕事の中で、できるだけ数と単位の感覚を養っていくことも大切ですね。(S)

http://www.chocola.com/product/lineup/bbspark.html

この一冊!『基礎日本語辞典』

『基礎日本語辞典』

基礎日本語辞典
森田良行 著
角川学芸出版(1989/6)
1291ページ/四六判
ISBN 4-04-022100-1
5,040円(税込)

『日本語 語感の辞典』(2010年12月25日号で紹介)よりもう一歩踏み込んだ(?)、日本語の「ごく基本的な」言葉の意味・用法や使い分けを、外国人にもわかるような丁寧な説明で解きほぐしてくれる辞書。

これは買いです、必携です。

解説と図解がわかりやすくて面白い。例えば〈うばう〉。鶏舎に産み捨ててある卵なら「取る」でよいが、親鶏が抱えて離さない卵を無理やり取るなら「奪う」。本書の至るところで攻防戦が繰り広げられていて、鶏のそばではある猫が捕ったねずみを別の猫が奪い取り、〈ゆずる〉ではAとBが互いに譲らず、奪って奪われて火花を散らす! ちなみに、「譲る」は主体の意志による権利放棄、「奪う」は一方的剥奪だそうです。

国語辞典は、知らない(あまり使わない)言葉を調べるのには役立ちますが、ごく基本的な「わかったつもり」の日本語を調べるのには必ずしも適しているとは限りません。本書を読めば、「つもり」がとれて「わかった」になります!

「ことば」という、汲めども汲めども尽きない泉。じっくり深く、味わってください。

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