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ぷれす通信

2011年9月号

デッドゾーン アボガド、パブリカ、シュミレーション?

「??」なタイトルで始めました今号の「デッドゾーン」。

お題のヒントは近所の八百屋。ゴーヤを買いに行った店で(緑のカーテンで一躍脚光を浴びました)、ふと目に留まった「パブリカ」なるポップ。

帰り道、ゴーヤと書店を経巡る私の目に飛び込んできた『世界ニホン誤博覧会』。世界中で見かけるオモシロ日本語を集めた抱腹絶倒本です。
海外旅行先や物産展で見る商品パッケージなどでおかしな日本語を見かけませんか? 「魚のフテイ(フライ)」「干セーシコー(チャーシュー)」「ビソボソ(ピンポン)」……実物の写真と脱力なコメントが残暑にとろけた頭に効きます。

そんなわけで、今号は「カタカナ」です。
私たちの仕事でも、OCR処理したゲラもあれば、手書き文字にアヤシイ気配も……油断禁物です!(S)

1.間違えやすい表記
アタッシェケース(×アタッシュケース)  アニミズム(×アミニズム)
アボカド(×アボガド)  エキシビション(×エキシビジョン)
シミュレーション(×シュミレーション)  ギプス(×ギブス)
バドミントン(×バトミントン)

2.誤記しやすい字
ア/マ(角度と長さ)  エ/コ/ユ(縦・横の棒)
キ/モ(縦棒の角度とカーブ、棒が突き出るか突き出ないか)
ク/ケ/ワ(書き出しと払う角度)  シ/ツ(点の向きと位置)
ス/ヌ/マ(線が交差するかしないか)  セ/ヤ(縦棒の角度)
テ/ラ(最終画の位置)  ソ/リ/ン(線の角度、払う方向)
ヨ/ヲ(最終画の折り方)

〈参照〉
間違いやすいカタカナ語ランキング - 学びランキング - goo ランキング
書き間違いやすいカタカナ
・柳沢有紀夫『世界ニホン誤博覧会』新潮文庫、2010.2.1

この一冊!『校正のレッスン――活字との対話のために――』

『校正のレッスン――活字との対話のために――』

校正のレッスン――活字との対話のために――
大西寿男 著
出版メディアパル(2011/7)
128ページ/A5判
ISBN 978-4-902-25121-0
1,260円(税込)

2010年1月25日号で紹介した『校正のこころ』の姉妹編。
「レッスン」にふさわしく、仕事の工程の一つ一つをていねいに掘り起こし解説しています。

たとえば「私たちの仕事は原則として3種類しかな」く、それは変更・確認・注意喚起だと書かれています。どうでしょう、改めてそう言われてハッとしませんか?

また、赤字を美しく、その意図が関係者全員に伝わるように書くことの大切さや、差別語の変更や削除をクレーム回避のために求めるのはもっともよくなく、さらに、書き換えることで言葉のニュアンスが変わってしまう危険についても触れています。

心しておきたいですね。

以上のような、実践に役立つパートの対となる「言葉の宇宙」は、前著のこころを織り込んだ「要」とも言えるパートです。

創作者が言葉を選び、文章を書く。
思いをのせて、あとは言葉に託す。言葉と内なる思いとの齟齬。もどかしさ。

校正者にも、言葉を力づける(エンパワメントする)者として、ゲラとの対話を通じて、著者でも読者でもない、ゲラにこそ拠る立場で書かれた言葉、書かれなかったあるいは言葉にならなかった言葉に寄り添うことを求めている――そんなふうに読みました。

出版界に限定せず、あらゆる表現者に読んでほしいと思います。

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