ぷれす通信

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2011年11月号

デッドゾーン 「ヒヤリ・ハット」な死角あり!

2011年もあとひと月。時が経つのは早いものです…。

筆者が一年を振り返って気づいたことや聞いた話、自らやってしまった(汗)「ヒヤリ・ハット」なデッドゾーンを紹介します。

・〆切(時間)を守る:交通機関の乱れを見積もり、早めに家を出ましょう。

・机上に飲み物を置かない:うっかり倒しちゃうんですよね…。ゲラの汚損は厳禁! フタ付きのカップがオススメです。

・連絡は速やかに:状況は刻々と変わります。一本の電話で状況がひっくり返ることも。何かあったらすぐ電話をください!

・打ち合わせ時はメモをとる:ほかの媒体を混同して、指示とは異なる処理をしてしまう危険があります。

・聞くべきはひるまず聞く:「たぶんこうだろうから…やっちゃおう!」は、プロの仕事ではありません。もし想定と違っていたらどうしますか? 疑問等があればすぐに確認しましょう。

・ダーマトグラフは極力使わない:紙巻きの色鉛筆です。赤字の消し合わせで使うなら、「薄い色」で「あまり字にかからないように」。元の書き込みが判読できず困ることがあります。

 ※ダーマトの黄色はコピーに写ります! 蛍光ペンの黄色を。

この一冊!『かなづかい入門~歴史的仮名遣 VS 現代仮名遣』

この一冊!『かなづかい入門~歴史的仮名遣 VS 現代仮名遣』

『かなづかい入門~歴史的仮名遣 VS 現代仮名遣』

かなづかい入門~歴史的仮名遣 VS 現代仮名遣

白石良夫 著

平凡社新書 (2008/6)

240ページ/新書判

ISBN 978-4-582-85426-8

777円(税込)


定家仮名遣から現代仮名遣までの変遷を丁寧に追った本です。かなづかいは、用途、学問的発展、時代の要請、人々の慣習などを紡いで縒った「『限られた範囲での』約束事」です(ココ大事)。言葉の伝達を効率よくするための「実用の具」であり、今なお変化する「生き物」……昨今流行りの「どじょう」のごとく、つかめばぬるりと逃げていく。なかなかややこしいのが、かなづかいの実体です。

内容は濃厚かつ刺激的。私が惹かれたのは著者の学問的態度です。熱意と冷徹のバランスが◎で、「コペルニクス以前の認識を、それ以後の知識で科学的正義、学問的正義を楯に裁断してはいけない」等々、名言盛り沢山! 熱く厳しく、珍論・異論をばっさばっさと斬っていきます。「!」だったのは、かなづかいは「表記」の規則であり「発音」の規則ではないこと。だからオトーサンは「おとうさん」なんだ! 改めて言われてみればそうなんですけど、不思議じゃありませんか?

かなづかいに限らず、言葉に関する事々は「主観」や「感情」がつきもの。それでも校正者は、自分の正しさや好みは脇に置き、「援助職」としての務めを果たすことが大切です。

――そうそう、この本でかなづかいを勉強しようと思ってはいけません。かなづかいを(ある程度)知った上で楽しむ本です。