ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.127

『アンソロジー カレーライス!! 大盛り』

杉田淳子 編 ちくま文庫

カレーライスについてのエッセイのアンソロジーです。池波正太郎、吉本隆明、寺山修司、小津安二郎ら錚々たるメンバーが自身のカレー体験やカレーとのかかわりについて書き記しています。その数44名。筆をとらせるカレーライスの凄さに「カレーは文学だ」と言いたくなります。それぞれ著者のカラーがしっかり表れていて、たとえば、吉本隆明は「味の欲望の二律背反」を探るべく市販のカレーを食べ比べて思想的な試みを、中島らもは子供の頃に食べた「まずぅいカレー」について郷愁を交えながら分析を、角田光代は、恋人から好きな料理がカレーと言われることに対する女性の引き具合を・・・・・・とバリエーション豊かです。50ページくらい読み進めると無性にカレーが食べたくなります。けれど、私は続く250ページを一気読みしてしまったので、さすがにお腹いっぱいになってしまいました(何回「カレー」という文字を目にしたことか!)。そんなことを言いながら、明日はカレーを食べようと思ってしまうこの不思議。日本のカレー、本場インドのカレーと、さまざまなカレーについての文章に触れるとどこからともなくスパイスの香りが。まさしく読んで味わえる一冊です。(くろ)

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『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』

満尾正 アチーブメント出版

ハーバード大学で最先端の抗加齢医学を学び、東京にアンチエイジング専門クリニックを開業した著者が、精神力、集中力、思考力などを身につけるための食事術を教授してくれます。健康を資産、食事を投資とする考え方は、耳慣れないものでしたが、読み終わるころには、まさに食事は自分自身への投資なのだなと納得させられていました。特に面白かったのが、「第4章 食べない投資」です。私たちが普段食べているもののなかで、避けるべきものが紹介されています。甘い飲料、白い主食、トランス脂肪酸、と聞いたことがある食品が並ぶなかで衝撃的だったのが「有害金属」。著者によると、現代人は、知らず知らずのうちに体内に有害金属を摂り込み、蓄積してしまっているのだとか。なにそれ怖すぎる。自身が金属汚染されているかどうかは調べることができるそうなので、ぜひとも調べてみたいと思いました。朝から体がだるい、昨日の疲れがぬけない、集中力が持続せず臨機応変に対応できない、不注意なミスが続いてしまうなどなど、頑張っていても、いや頑張っているからこそ、そうした日常を送ることになってしまうビジネスパーソンは多いと思います。そんなとき、がむしゃらに頑張るのをやめて、自分に食事という投資をしてみませんか。体にとって本当に必要なものを摂取し、不必要なものを避けることが、私たちのパフォーマンスを向上させるのにどれだけ必要か、本書を読めば納得できると思います。(まち)

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