ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.97

『科学がつきとめた「運のいい人」』

中野信子 サンマーク文庫

脳科学者の中野信子さんが科学の知見に基づいて、「運のいい人」とはどんな人なのかをわかりやすく説明している作品です。本書を読むと、「運のいい人」とは運の使い方がいい人、つまり幸せをより感じ取ろうとする人のことをいうのだと痛感します。何かに失敗したり、災難に見舞われたりしても、そこでただ不運を嘆くだけでは自ら幸せを感じることを放棄しているようなもの。自分の思考や行動をもって、自分自身が幸せだと感じる方向に運を「運」ぶことが大切だそうです。神経細胞であるミラーニューロンは他者の行動を見たときにまるで自分のことのように反応するということや、脳は利他行動をとったと認識すると快感物質が分泌されるということなど、人間が構造的に既に持っている共感能力の話を通して、「運のいい人」と関わること、自分だけでなく他者の幸せを願うことの意義を述べている点には特に感銘を受け、早速実践していこうと思いました。(かつ)

『とにかく盛り上がる夜ごはん』

料理:小田真規子 絵:仲島綾乃 文:谷綾子 文響社

エンタメ系レシピ本のズボラーさんシリーズの第四弾は、夜ごはん本です。本書のコンセプトはずばり“夜ごはんパーティーにするとめっちゃラク”です。パーティーとラクって対極の概念じゃない? と思って読み始めたら、手間がかからないうえに洗い物も少ない、完成してみると豪華に感じる夜ごはんレシピが満載で目から鱗でした。作りながらパーティーに、食べ比べパーティー、手で食べるパーティーと、とにかく紹介されているパーティー型夜ごはんが楽しそうなんです。仕事帰りにスーパーにフラッと寄ってメインの食材さえ買えばすぐに作れちゃいそうなお手軽レシピばかりだから、どれもやってみたくなります。パーティーというと人数が多い家族向けのレシピと思いがちですが、5日間の作り置きの「平日は毎日ブッフェ」、お風呂にはいっている間に出来上がる「入浴ローストポーク」なども完備され、一人暮らしの人も楽しく活用できること間違いなしです。(くろ)