ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.93

『もしもキリンと恋に落ちたら デートでわかる どうぶつ図鑑』

メセグリン著 小宮輝之(上野動物園元園長)監修 サンクチュアリ出版

デートするとそれまで知らなかった相手の一面が見えてくる、それは人間も動物も一緒なのかもしれません。本書は、動物好きの主人公・タカシくんと色々な動物の女の子とのデートを通して、動物のリアルな生態や習性を知ることができるマンガ図鑑です。もちろん擬人化などではなく、タカシくんは4メートルくらいのキリン女子(普段は優しいけど怒ると怖い)や、7センチくらいのチスイコウモリちゃん(情に厚い)などとしっかりデートしています。デート中、お互いの違いから起こるトラブルやすれ違いに、タカシくんはドン引きしたり歩み寄ったり・・・・・・。でも結局はラブラブなので読んでいてほんわかします。よくよく考えると、「タカシ、色々な女とデートしすぎだろ!!」「いや、動物界的には普通なのか?」「いろんな動物と付き合ったけど結局プロポーズするのはアイドル(動物界的には)なのかよ!!」というツッコミも芽生えますが、そういうところもリアルということなのでしょう。動物とデートという要素を掛け合わせたことで、動物の生態や習性がものすごく理解しやすいし頭に残ります。動物好きだけでなく、さまざまな世代の人におすすめです。(いく)

『労働2.0 やりたいことして、食べていく』

中田敦彦 PHP研究所

お笑いコンビ・オリエンタルラジオ、ダンス&ボーカルユニット・RADIO FISHとしてエンタメ業界で活躍する中田敦彦氏による、「新時代の働き方」について語られた本です。本書の内容は、サブタイトルの「やりたいことして、食べていく」に凝縮されています。芸能人に「やりたいことして、食べてこうぜ」と言われても現実味が薄いと感じるかもしれませんが、読んでみると意外とそんなことはありません。第1章の最初の見出しは「最初は組織の『歯車』でいい」、とっても現実的です。組織の中で、そして組織の外に飛び出して、やりたいことをやるための方法が、シンプルに述べられています。そうした労働論が、親近感のある芸能人あっちゃん(もしくはNAKATA)が語ることによって、できる部下や輝いている先輩の持論を聞くような温度で読者に届くのがこの本の強みです。もし今、会社や上司の無理解を愚痴っているなら、本書を読んでみてはいかがでしょうか。突破口が開けるかもしれません。(かつ)