ぷれす通信

communication

読んだら書きたくなりました vol.83

『英語が上手くなりたければ恋愛するに限る』

キャサリン・A・クラフト著 里中哲彦編訳 幻冬舎新書

「英語が上手くなりたければ恋愛」、タイトルのとおりだと思います。ことばは使うことによって上達していくもの→使わざるを得ない状況をつくりだすことが大事。ことばを使いたくてしかたなくなるのが恋愛なのではないでしょうか。本書には、出会い、ときめく、デート、その先……と恋が進展していくときに使いたいフレーズが180も紹介されています。読みながらドキドキ、ワクワク、ハラハラしてしまいました。アメリカの女性と日本人が組んでできた本書は、恋愛におけるちょっとした考え方の違いも取り上げられていて参考になります。恋愛するときに自然に英語が出てくるようになれば、ビジネスの場でも臆することなく話せるようになるかなと期待してしまいました。(まち)

『しなくていいがまん』

小林麻耶 サンマーク出版

がまんすることができる、がまんづよいということは美徳のひとつ。けれども、知らずしらず自分を追い込んでいたり、生きづらさを覚えてしまうようでは、息がつまってしまいます。ぶりっ子の代名詞のようにいわれ「ブリカマぶるーす」なる曲で歌手デビューもした小林麻耶さんが、子どもの頃の原体験や学生時代のエピソードを引き合いに、がまんの数々によって犯した失敗やつらかったことなどを赤裸々に綴っています。それをもとに、毎日を気分よく人生を自分のものとしてしっかり生きるために、私たちは「しなくていいがまん」を捨ててもよいのだと説いています。ファン向けのイメージが強いですが、妹の麻央さんの死についてもしっかり書かれてもおり、けっして浮ついた本ではありません。そしてその死を悲しみ抜いたあとに、迎えた結婚のことも記されているため、「死と再生」という角度から読むこともできます。最終行を終えてページをめくると、満面の笑みの麻耶さんの写真が、この本の結末を美しく飾ります。人生最大の「しなくていいがまん」を捨てた先に麻耶さんが得たものはなんでしょうか? ぜひ読んでみてください。(もん)