ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.81

『休日が楽しみになる昼ごはん』

料理:小田真規子 文:谷綾子 文響社

『一日がしあわせになる朝ごはん』『ズボラーさんのたのしい朝ごはん』に続く人気シリーズ第3弾。かわいいイラストたちのクスッと笑えるやりとりと、ズボラーさんのコメントに共感する、読んでいて楽しい脱力系(?)のレシピ本です。めんどくさいから、もうこんな時間だからと、休日の昼ごはんはついついデリバリーにしたり、抜いてしまったりしがちです。でもほんとは、ちゃんと食べて有意義に過ごしたい、おうちで食べて出費を抑えたいのです。本書は私を含めたそんな休日ランチ難民におすすめです。麺・お米・パンの簡単レシピ(なんと調理時間が20分を超えると謝ってきます)なので、うっかりお昼過ぎに起きても大丈夫! パスタ36パターン、オムライス6パターン、卵だけサンドイッチ8パターンと内容がボリューミーだから、お気に入りのレシピがきっと見つかるはずです。そして、極めつきはラストの甘いパンとコーヒーのマリアージュ! そうは言ってもズボラーモードのときは仕方ない、「何もつくりたくない日は、つくらなくていいよ~」とダメな部分も包み込んでくれます。お腹とお財布だけじゃなく、心にもやさしい一冊でした。(まち)

『秘蔵カラー写真で味わう 60年前の東京・日本』

J・ウォーリー・ヒギンズ 光文社新書

平成も残すところあと数か月。昭和がますます遠ざかる感じのこの頃。約60年前の日本の風景382枚がなんとカラーで見ることができます。シャッターを切ったのはアメリカ人。しかも鉄道にフォーカスする「撮り鉄」。鉄道ファン向けの本? たしかにそうではありますが、その範疇にとどまらず、街並みや田園風景、そして人がしっかりと写っているので、純粋に写真集として楽しむことができます。普段、通勤や買い物などで利用しているあの駅やあの路線、あの街がかつてはこうだったのか!と驚くことも。タイトルから東京の景色ばかりと思うかもしれませんが、北海道から沖縄まで昔日のシーンが繰り広げられています。いまはある地域でしか見ることのできなくなった路面電車の写真が多く、かつては主要な移動手段だったのだな、などと思いました。淡い色味の写真がますますレトロさを増し、生まれてもいない時代なのにノスタルジーにかられます。新書というコンパクトさも味わいのひとつ。年号が変わる前に(変わったあとでもよいですが)、昭和のシーンをおさらいしてみてはいかがでしょう。(てつ)