ぷれす通信

communication

読んだら書きたくなりました vol.43

『心臓の左上をさすればしっかり疲れはとれる』

山岡 愛 新星出版社

心臓の左上にゴミ箱がある。そこは疲労物質や老廃物が最後に行き着く先だが、疲労がたまっているとそのゴミ箱を空にできなくなり様々な不調に見舞われてしまう……。そのゴミ箱を外からの刺激できれいにして体調を改善していこう、というのがこの本です。著者である先生の施術を受けた方、セルフケアだけで効果を実感した方などの体験談が載っているのですが、その結果は驚くべきものです。これを読んだからには、道具もいらず簡単にできるゴミ箱をきれいにする方法を試さない手はありません。また、基本的なお手入れに加え、頭痛や肩こり、むくみなど症状別に対応したストレッチなどのセルフケアの方法も載っているので、それぞれの不調に合わせて取り入れていけるのがよかったです。(まち)

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』

佐藤航陽 幻冬舎

副題にあるとおり「新しい経済のルールと生き方」について書かれています。お金に2.0がつくのは、これからのお金の在り方を示すためです。難しい経済学の本でもお金儲けの本でもありません。私たちが親しむFacebookやGoogle、スマホのゲームなどを例にとって、新しいインフラが整備されることによって、これまでの経済システムとこれからの経済システムの何が違ってくるのか、また私たちの暮らしがどう変わっていくのかを説明してくれます。例えば、利益追求主義から「価値」に重きをおく時代が訪れる、つまり今の資本主義で数値化できない(貸借対照表に表せない)、「共感、熱狂、好意、感謝」といったものが経済を動かすというのです。テクノロジーの発展により、国家や政府主導の経済システムだけでなく、様々な経済圏の選択肢が用意され、自らその経済圏をつくることも可能になります。そうなれば、生きづらさを感じる人の数も減るはずだということも説いています。この本を読んで、未来に対する期待が高まりました。同時に「失われた20年」というフレーズが遠のきました。「失われた~」というフォーマットで時代を捉え続ける限り、いつまでたっても前世紀的拝金主義から脱却できないのではないでしょうか。私たちはしっかりと本書が示すパラダイムシフトを認識すべきだと思います。お金2.0の時代へ目を向けてみることで、がらっと未来の展望が変わってきますよ。(かつ)