ぷれす通信

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読んだら書きたくなりました vol.27

『淳子のてっぺん』

唯川 恵 幻冬舎

登山どころかハイキングにすら縁のない自分。過酷な登攀の描写に心を惹かれ、作中の世界だけに飽き足らず、ウェブで画像検索をしてみました。想像以上の厳しさに驚愕……。作中に出てくる「なぜ山に登るのか」という疑問がやはり湧いてきます。最後に明かされるその答えは、アンナプルナⅢ峰、そしてエベレスト登頂を目指す淳子を追いかけていくことにより、不思議な重みをもって、まっすぐ心に落ちてきます。(くろ)

『神なび 新88カ所お遍路紀行』

真印 光文社

四国88カ所の霊場を巡幸する「お遍路」。この本では、そこで訪れるのとは別の、“新88カ所”が紹介されています。著者は、スピリチュアルカウンセラーの真印(まいん)氏。1300年続く四国霊能者一族の末裔だそうです。行く場所を決めるのに、チェックリストで、動きの鈍っているチャクラを見つけます。チャクラって……。なんかあやしげな、むずかしそうな話になってきたぞ、と思いましたが、チャクラとは人体において自然界のエネルギーを取り入れる場所のことなのだそうです。この「神なび」があれば、効率よく、目的意識をもって山や滝や古墳などをめぐることができるでしょう。スポットの紹介ごとに著者のコメントがついています。たとえば、「一つひとつの滝から放たれる柔らかくも確かな波動が、あなたの身体に蓄積された疲労や心の澱を、繊細に洗い流してくれるでしょう」。これを読むだけでも、こころが浄化されていくようではありませんか……!(まち)