ぷれす通信

communication

読んだら書きたくなりました vol.20

『芸人式新聞の読み方』

プチ鹿島 幻冬舎

新聞の読み比べをすると、各紙の「キャラ」がわかってくるのですね。そのキャラを著者がおもしろく言い表していて、なるほどと思ったり、クスッと笑えたりします。取り上げている内容は、国民的アイドルグループの解散までのてんやわんや、リオ五輪閉会式での「安倍マリオ」の裏側にひそむ(元)大物政治家、慰安婦報道など多岐にわたります。難しい話題でも夢中になって読ませてしまうその書きっぷり、さすが芸人です。人間のいとなみの多様さを認め、自由な意見を言える雰囲気を広めたい、そうした心を大切にしているということが伝わってきます。(まち)

『なぜ「近大発のナマズ」はウナギより美味いのか?』

山下柚美 光文社

マグロの完全養殖で名を馳せた、近畿大学水産研究所の次なる挑戦である「ウナギ味のナマズ」。本書は主にその着想から開発、販売に至るまでの苦難を克明に描いています。飽食の時代と言われる昨今ですが、日々何気なく口にする食品には試行錯誤のドラマがあって、「飽きる」などというのは本来おこがましいことなのだと気付かされます。読了後、私のように食文化への関心が芽生え、飽食ではなく「豊」食と感じるようになる人が増えていけば嬉しいなと思いました。(くろ)