ぷれす通信

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2011年10月号

デッドゾーン 滅菌! 殺菌… 消毒? 除菌!?

皆さま。タイトルに挙げました4つの単語、意味の違いは何でしょう? しばし考えてみてください。

――5、4、3、2、1! チーン! 時間切れです!

私たちの仕事では、雑誌などに掲載される洗剤や石けん類の広告などで、これらの表示をよく見かけます。それぞれどのくらいの効果があるのか、素読みの際に迷ったことはありませんか?

朝日新聞の記事(2011年9月17日付be「ののちゃんのDO科学」)(http://www.asahi.com/shimbun/nie/tamate/)をまとめると、次のとおりです。

・滅菌:「菌を全滅させる」意。微生物の生存率を100万分の1以下にさせる、という定義あり。

・殺菌:微生物を死滅させる。どの菌をどのくらい死滅させるか

はものによる。従って「殺菌・消毒」として、消毒と併せて使用されることが多い。

・消毒:有害な微生物を、害がなくなるくらいまで減少させ、力を失わせる。

・除菌:濾過などで微生物を除去するが、どのくらい菌を無くすのかは曖昧な部分あり。

菌を無くす確かさの順は、強いほうから「滅菌、殺菌・消毒、除菌」という「イメージ」、なのだそうです。

では、消費者としての私たちは、どうやって選べばいいのか……。確実を期するなら、除菌では弱そうですね。

仕事では気をつけていても、日常生活ではあまり気にしていないことって、ありますよね。

この通信を持って、台所と洗面所へ行ってみませんか? 洗剤、石けん、消毒アルコール、柔軟剤、あとは何があるのかな……何と書いてありましたか?(S)

この一冊!『漢和辞典に訊け!』

この一冊!『漢和辞典に訊け!』

『漢和辞典に訊け!』

漢和辞典に訊け!

円満字二郎 著

ちくま新書(2008/12)

224ページ/新書判

ISBN 978-4-480-06462-2

756円(税込)


私、漢字、苦手なんです。まして漢和辞典なんて使わずにすむならそうしたいくらいで、「載ってるんだから見てみれば?」と言われても「ヤです~索引引くの面倒くさい~(半泣)」てなもんでした。モチロン仕事ですもの、ぐっとこらえてきっちり引きましたとも。

そんな私が本書を読んであっさり宗旨替え。行きつけの古本屋で(ごめんね新刊書店たち…)漢和辞典を延々と物色、根負けした店主が安くしてくれました♪ これで小型3冊中型2冊大型1冊♪♪

さて、書評です。もし学校の先生だったら間違いなく生徒に慕われたであろう円満字先生。丁寧でわかりやすい円満字節に乗って、漢和辞典を引くコツ(索引それぞれの使い方)、ややこしくも先人の苦労が偲ばれる音読み・訓読みの歴史が学べるようになっています。校正者を悩ませる「旧字体」もお任せあれ! 芥川の「龍之介問題」を皮切りに、わかりにくいところをぎりぎりまでかみ砕き、その矛盾、割り切れなさのままに漢字を愛していこうよという、人生論にまでつながるような、旧字体の生き生きとした姿を見せてくれます。

――ようこそ、愛すべき魅惑の漢字の世界へ!